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デジタル報酬
[デジタルホウシュウ]

「デジタル報酬」とは、給与などが電子マネーで支払われることをいいます。近年キャッシュレス化が進む中で、従業員の交通費精算や、外部のフリーランスなどへの報酬の支払いを電子マネーで行う動きが広がっています。現在、従業員への給与の支払い方法は、労働基準法で「現金の直接払い」もしくは「銀行口座への振り込み」と定められていますが、厚生労働省はこうした規制を緩和する方針を示しています。

デジタル報酬のケーススタディ

銀行口座を持たない外国人労働者や
立替金を即座に回収したい会社員に好評

デジタル報酬には、どのようなメリットがあるのでしょうか。まず雇用者側のメリットとしては、銀行口座がなくても給与を受け取ることができること、立替金をすぐに受け取ることができることなどが挙げられます。

人手不足が続く中、企業にとって外国人労働者の活用は急務となっています。平成30年には、外国人労働者の届け出が過去最高の146万人を記録しました。しかし、雇用の上ではさまざまなハードルがあります。その一つが、銀行口座による給与の受け取りです。外為法の規制により、外国人労働者は、長期滞在ビザを持っていて、かつ日本での滞在期間が6ヵ月以上にならないと銀行口座をつくれません。つまり、半年間は銀行口座で給与を受け取ることができないのです。こうした外国人労働者でも、電子マネーなどのサービスを使えば給与の受け取りが簡単にできます。

また、海外出張などで大きな立替を行ったとき、立替金が戻ってくるのは通常1ヵ月ほど先になるので、貯蓄の少ない若手社員などにとってはなかなかの痛手です。しかしデジタル報酬サービスを活用すれば、こうした立替金もすぐに回収することができます。

デジタル報酬は、企業にとってもメリットがあります。例えば、採用への効果。デジタル報酬の利便性をアピールすることで、人材を集める効果が期待できます。また、銀行振込に比べて電子マネーは振込手数料が約半分に抑えられるため、経費削減にもつながります。

一方で、電子マネーのサービスを提供する管理業者が経営破たんしてしまった場合、入金済みの給与をどう保全するかなど、議論すべき課題も残っています。キャッシュレス化の波が広がる中で、デジタル報酬がどのように受け入れられていくのか、今後の動きが注目されます。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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