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専門家コラム

第34回 65歳以上の従業員に対する雇用保険の法改正

2017-01-16 テーマ: 人事給与(ペイロール)アウトソーシング

雇用保険法の改正によって、平成29年1月1日より65歳以上の方も「高年齢被保険者」として、雇用保険の対象になります。

雇用保険の適用要件に該当している方が65歳以上であったとしても、これからは雇用保険の取得手続きをしなければなりません。

今回は、65歳以上の対象者に対する制度の説明と、経過措置も含めた対応について解説をしていきたいと思います。

 

<雇用保険に加入する65歳以上の対象者と会社の対応>

雇用保険の適用要件は、「1週間の所定労働時間が20時間以上であり、31日以上の雇用見込みがある」場合です。

この要件をみたし、雇用保険の対象になる65歳以上の従業員は、以下の3つのいずれかに分類されます。

1)平成29年1月1日以降に新たに65歳以上の労働者を雇用した場合

2)平成28年12月末までに65歳以上の労働者を雇用し、平成29年1月1日以降も継続して雇用している場合

3)平成28年12月末時点で高年齢継続被保険者(65歳に達した日の前日から引き続いて65歳に達した日以後の日において雇用されている被保険者のことをいいます。)である労働者を平成29年1月1日以降も継続して雇用している場合

これまで65歳以上の方は、3)に該当する従業員だけが雇用保険の被保険者になりました。しかし、法改正により1)と2)の従業員も雇用保険の対象になります。

3)に該当する方については、雇用保険の資格をすでに取得していますので、改めてハローワークに資格取得届の提出をする必要はありません。自動的に高年齢被保険者に被保険者区分が変更されます。これは、これから65歳以上になる方であっても同様です。

1)と2)に該当する方は、会社が事業所管轄のハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出する必要があります。

まずは、現在在職している従業員で2)に該当する方がいないかを確認してください。

また、今後65歳以上を採用する場合で、雇用保険の加入要件をみたしている場合は、忘れずに雇用保険の資格取得手続きをするようにしましょう。

 

<雇用保険の取得日と手続きのタイミング>

次に、それぞれのパターン別に雇用保険の手続きをする時期を確認してみましょう。

パターン1)

【平成29年1⽉1⽇以降に新たに雇⽤した場合】

この場合は、65歳未満の一般の従業員の手続きと同じです。雇用した時点から高年齢被保険者となり、雇用した日の属する月の翌月10日までに管轄のハローワークに届出をする必要があります。

パターン2)

【平成28年12月末までに雇用し、平成29年1月1日以降も継続して雇用している場合】

平成29年1月1日をもって高年齢被保険者となりますので、資格取得日も平成29年1月1日になります。2)に該当する従業員は、法改正の特例措置により、平成29年3月31日までに管轄のハローワークに届出をすればよいことになっています。

 

<65歳以上の従業員の雇用保険料>

これまで、64歳に達した年度の翌年度からは、雇用保険料が免除されていました。したがって、65歳以上の高年齢継続被保険者についても、当然に雇用保険料は徴収していません。

この措置は、法改正後も平成31年度までは継続になります。したがって、先ほどの2)や3)で新たに雇用保険の資格を取得する高年齢被保険者は、資格を取得したと同時に、保険料は免除され、給与計算時に本人から徴収することもありません。

 

<雇用保険料の確認>

高年齢被保険者は雇用保険料を徴収しませんが、一般の従業員の雇用保険料を再度確認してみましょう。

※平成28年度の雇用保険料率は以下の表については「平成28年度 雇用保険料率 厚生労働省」で検索して閲覧ください。。

雇用保険は、業種によって料率が違います。平成28年度は、雇用保険料率が前年度より変更になっています。ときどき、この変更が反映されていない会社を見かけますので、正しい料率で計算されているかを点検しましょう。

また、平成29年度も雇用保険料率は引き下げられる見通しです。実務担当者は、料率の変更漏れがないように、法改正の行方を注視しておきましょう。

 

鈴与シンワート株式会社 人事給与(ペイロール)アウトソーシングS-PAYCIAL担当顧問
経営者の視点に立った論理的な手法に定評がある。
(有)アチーブコンサルティング代表取締役、(有)人事・労務チーフコンサル タント、社会保険労務士、中小企業福祉事業団幹事、日本経営システム学会会員。

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